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マンション管理セミナー 平19.10.27   13:30〜16:30
ベルブ永山 ベルブホール
講演:マンションの未来のために管理組合に考えてほしいこと
講師:(財)マンション管理センター 総合研究所 廣田 信子 主席研究員
 台風20号による大雨にも関わらず多くの方に参加していただきました。
13:30〜多摩市 くらしと文化部 住宅課長 挨拶
13:40〜14:45 廣田さん講演(写真)
15:00〜16:00 廣田さんを囲む懇談会
16:00〜16:30 個別相談会(多摩マンション管理士会)
《資料》
1)マンションの未来のために管理組合に考えてほしいこと
2)マンション管理センター事業のご案内(パンフレット) 約5MB
3)マンションみらいネット利用案内(パンフレット)   約4MB
4)マンション管理サポートネット利用案内(パンフレット)約2.5MB
5)マン索ねっと紹介パンフレット 約2.7MB
6)グリーンボランティア講座受講生募集(多摩市) 約4.5MB
7)マンション快適ライフ2007ご案内 約1.2MB
廣田さんを囲む懇談会
【出席者から質問を受け、廣田さん、多摩市住宅課、多摩マンション管理士会がお答えするという形式で進めました。以下にその一部を掲載します】

質問:防災・避難訓練について
1)戸境の隔て板が本当に破れるものか、飲料水を受水槽からどうやって取り出すのかといった具体的な避難訓練の必要性
2)近隣マンションを交えた防災避難訓練の必要性

答え:(廣田)消防訓練と地震時避難訓練とは訓練方法が異なる。消防については急いで逃げることが目的。隔て板を蹴破るのは費用もかかり難しいとしても、「避難はしご」は通常は使わないので、避難はしごから降りられるかどうか確認しておくとよい。通常は「はしご車」が対応するので、「はしご車」が停車できるスペースの確認も必要。

 地震時避難訓練は、起震車による地震の疑似体験や、注意点として火を止め、(耐震丁番など使っていない場合は)ドアを開けるということが揚げられるが、防災用品に関しても留意しておく必要がある。個人で対応できるものとして水や食料の確保などがあり、組合が対応するべきものとしてはトイレ(ポータブルなど)を用意しておくことなどがよい。
 浦安の管理組合では、受水槽に弁を付け、緊急時には水を確保することにしている。これには市が助成をしている。現在、蛇口を付ける改修を検討中。
 近隣とも声を掛け合っておく必要がある。

(多摩マンション管理士会)多摩地区は地盤がよいので、鉄筋コンクリート造の建物についてあまり神経質になってもきりがない。心配するならば住戸内の家具の固定は必須。例えば、TVなどが飛んで来ることも想定し、寝る場所には飛んでこないように配置することも必要。

(出席者から)リフォームの施工基準を作成し、家具の固定のためにホールインアンカーを打設することは可とした。

(廣田)福岡では給水管など設備の被害が大きかった。エレベータは地震時に最寄り階に停止する改修が必要。

(多摩市)火災訓練と防災訓練の両方合わせて実施してはどうか。近隣との合同訓練は、管理組合で自主防災組織を設置しているところが多い。市が運営費を助成する制度あり(備蓄倉庫など)、防災課が担当。また、広域防災訓練をやっているので、市民活動推進課に問い合わせていただきたい。地震や火災訓練については合わせて消防に相談して欲しい。

(出席者から)下水の上にテントを張ってトイレにすることができる。

(多摩市)市で用意している。

質問:大規模修繕工事に費用がかかって悩ましい。
 1点目は、共用部分のガス管に雨水が浸入してガスが3軒で使えなくなった。PLP管(プラスチック被覆鋼管)を使っていて、東京ガスがファイバースコープで調査したところピンポン球よりも小さい位の穴が開いているのを見つけた。PLP管はプラスチックで被覆されているが、継ぎ目が腐食する。その継ぎ目が数万か所あり、耐用年数は20年ということであった。ガス管改修への助成は、PLP管は対象外だという。取り替えるのに1千2百万円かかる(全103戸)。
 2点目は勾配屋根の改修が必要になってきて、アスベストを使っていることもあり、近隣では戸当たり200万円、合計2億円もの改修費用を要したと聞く。
 3点目は、そのような状況の下で、長期修繕計画をどうやって策定したらよいか。ニュータウンの横のネットワークなど色々ご意見を頂きたい。

(廣田)長期修繕計画の策定は、マンション管理センターで、テクノサポートネットがあり、長期修繕計画を策定する事業者の団体を紹介している。なお、長期修繕計画の標準形を国交省が検討中。

(多摩マンション管理士会)「マン索ねっと」パンフの8ページに事例が紹介されている。。また、多摩市主催で日本建築家協会の(改修に関する)セミナーも開催している。
 勾配屋根の改修事例は、多摩のマンションで知っている範囲で3件ある。2年間だけ積立金を2万円多く集めて(48万円分)対応した例。次の次の大規模修繕も踏まえた長期修繕計画を策定し、勾配屋根改修に必要な修繕積立金を長期にわたって平均化する検討などがある。
 また、共用部分のガス管改修については、東京ガスに移管してしまうことを協議している。

(出席者)修繕積立金は上がってきているのか。改定を考える場合、年齢構成を考慮してどのように考えるか。

(廣田)築年数により一概には言えない。25年間の計画を策定することが必要。というのは、12年に1度、大規模修繕を行うとして2回分の計画を策定しておくということ。

(出席者)経理を担当しているが、会計細則、支出項目が明確でなく、どこから支出してよいか分からない場合がある。会計のモデルがあるとよい。

(廣田)会計の基準がないとはよく言われる。各管理会社が自分のシステムでやっているので整理ができないこともある。標準を示さなければいけないと思う。